Regolith Linuxというディストリビューションを知り、調べてみたら何となく自分に合っている気がしたので試してみました。
シンプルなGUIでサクサク動いて快適です。
LinuxのGUIはほとんど触ったことがないのですがi3-wm
が使われているのでキーボードだけで操作できるのもいいですね。
そんなRegolith Linuxを紹介します。
Regolith LinuxはUbuntuベースのディストリです。 あらかじめセットアップされたUbuntuにインストールすることができます。 なのでVagrantで構築したUbuntuに入れてみました。
環境
Windows7
VirtualBox 5.2.18
Vagrant 2.2.5
Ubuntu 18.04
Regolith Linux v8-20-2019
公式ではUbuntu 19.10にも対応していると記載がありますが少なくともVagrantでは起動できませんでした。 詳しくは分からないのですが、インストールログを見る限りgdm3の起動に失敗しているようです。
インストール
インストールはとても簡単です。まずVagrantでUbuntu環境を構築します。
Vagrantfile
に以下を指定してvagrant up
します。
Vagrantfile
Vagrant.configure("2") do |config|
config.vm.box = "ubuntu/bionic64"
...
config.vm.provider "virtualbox" do |vb|
...
vb.gui = true
...
end
end
Ubuntuが立ち上がったらRegolithをインストールします。
$ vagrant ssh
$ sudo add-apt-repository -y ppa:kgilmer/regolith-stable
$ sudo apt update
$ sudo apt full-upgrade -y
$ sudo apt install -y regolith-desktop
$ vagrant reload
Ubuntu Desktopよりも必要なパッケージが少ないので早ければ15分程度で完了します。
最初のログイン時にログインボタンのすぐ左にある歯車アイコンでRegolithを選択してログインします。 これだけでRegolithを使うことができます。
ログインするとデスクトップが表示されます。操作はi3-wm
なのでキーボードで操作します。
キーバインドはi3
のオリジナルとは違いますが、画面右にキーバインドの一覧が表示されますのですぐに覚えられると思います。
デフォルトでは$mod
キーにはWin(Super)キーが割り振られていますが、
Vagrant上で使うと都合が悪いのでAlt
キーに変更することをおすすめします。
設定について
Regolithはi3、rofi、conkyなどのアプリが組み合わさって構成されています。 それぞれ設定ファイルが用意されていますが公式サイトに丁寧に書かれており、とても簡単です。
ただ、インストール直後は設定ファイルがユーザーディレクトリには無いのでデフォルトの設定ファイルをコピーして使うことになります。
まず$mod + Enter
でコンソールを立ち上げて以下のコマンドを入力します。
これで設定に必要なファイルがユーザディレクトリにコピーされます。
$ cp /etc/regolith/styles/root ~/.Xresources-regolith
$ mkdir ~/.Xresources.d
$ cp /etc/regolith/styles/* ~/.Xresources.d
$ mkdir -p ~/.config/regolith
$ cp -r /etc/regolith/i3* ~/.config/regolith
~/.Xresources-regolith
には使用するテーマや各アプリの設定ファイルへのパスが書かれています。
行頭に!
をつけることでON/OFFを切り替えます。
~/.Xresources.d
以下には.Xresources-regolith
で指定するファイルが格納されています。
カラーやフォントなどの設定が書かれています。使いたいテーマの色を確認するのも良いですし、新しいテーマを定義してみるのも良いでしょう。
~/.Xresources-regolith
や~/.Xresources.d
以下のファイルを編集したあと、変更を反映させるには以下のコマンドを入力してXresourcesを更新します。
$ xrdb -merge ~/.Xresources
~/.config/regolith
以下にはi3/config
とi3xrocks/config
が格納されています。
i3/config
にはi3
の設定が書かれています。$mod
キーもこのファイルで変更します。
i3xrocks/config
は画面下部に表示されているステータスバーの表示を設定します。
各ブロックのファイルは/usr/share/i3xrocks
にあるので設定ファイルと一緒に
~/.config/regolith/i3xrocks
以下にコピーしてしまっても良いと思います。
設定を変更したら$mod + Shift + r
で設定を再読込します。
必要なパッケージをインストール
Regolithは初期状態ではほぼ何も入っていません。ファイラもありません。 必要に応じてパッケージをインストールしていきます。
日本語化の設定
# 時刻設定
$ sudo -S timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
# ロケール設定
$ sudo -S apt install -y language-pack-ja language-pack-ja-base
$ sudo -S update-locale LANG=ja_JP.UTF8
# 日本語入力
$ sudo apt install -y ibus-mozc ibus-gtk ibus-gtk3 ibus-qt4
インストールしたら$mode + c
を押してRegion & Language
でそれぞれ日本語を指定します。
必要に応じて
# ファイラ
$ sudo apt install -y nautilus
# Tweaks(外観などの設定用ツール)
$ sudo apt-get install gnome-tweak-tool
# テーマ(好みに応じて ここではNordをインストール)
## gnome
$ mkdir ~/.theme;cd $_
$ git clone https://github.com/EliverLara/Nordic.git
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme "Nordic"
$ gsettings set org.gnome.desktop.wm.preferences theme "Nordic"
## rofi
$ cd /usr/share/rofi/themes
$ sudo wget https://raw.githubusercontent.com/0xdec/base16-rofi/master/themes/base16-nord.rasi
# アイコン
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install oranchelo-icon-theme
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface icon-theme "Oranchelo"
# Chrome
$ cd /usr/local/src
$ sudo mkdir chrome;cd $_
$ sudo wget https://dl.google.com/linux/direct/google-chrome-stable_current_amd64.deb
$ sudo dpkg -i google-chrome-stable_current_amd64.deb
Nautilusをインストールするとワークスペース1のデスクトップにアイコンが設置されてしまい、 ステータスバーに被ってしまう場合があります。 その場合は以下のコマンドでデスクトップアイコンを無効化しましょう。
$ gsettings set org.gnome.desktop.background show-desktop-icons false
コマンドを使わずにTweaksの「デスクトップ」設定から設定することもできます。
その他
GUIを操作しているとUbuntuユーザーのパスワードを求められることがあります。 いざというときに面倒なので予め設定しておくと良いでしょう。
$ sudo passwd ubuntu
# ついでにrootも
$ sudo passwd root
Regolithはまだ使い始めたばかりですがシンプルでとても使いやすいです。 しばらく使って使いやすいようにカスタマイズしていきたいと思います。
仕事の合間に調べながら調整していたのですが、この記事を書いている1週間ほど前にアップデートがあり、 Regolithの設定ファイルの場所が変更されていました。 最初は謎のエラーが発生して戸惑っていたのですが、公式サイトも更新されて事なきを得ました。
ちなみにRegolithの前にManjaroも少し触ってみましたが自分にはRegolithが合ってました。